おおかみこどもの雨と雪を見ました。
 アニメ作品といえば、いろんなジャンルに分けられる。「スポーツもの」「バトルもの」「恋愛もの」などなど。それらには、お約束とも言うべきラストがある。バトルものなら、強い敵を倒して終わるとか(もちろんそうでない終わり方をする作品もあるだろうけど)。だから、途中まで見ていても、「あー、最後こうなるのだろうな」という予想がついてしまう。
 しかし、このアニメはそうではなかった。新ジャンルなのだから。ラストなど予想もつかわない。つくわけがない。だからこそ夢中になれた。
 この作品には、母親と雨と雪という3人の登場人物がいる。監督はそれぞれにふさわしいラストを用意していたつもりなのだろうが、雪については、うまく心の成長を描けていた。特に、同級生草兵に自分がおおかみこどもである事を明かすシーンは、非常に印象的だ。雪にとって、勇気のいる場面だったろうが、それをすんなり受けいれる草兵も立派に見えた。ラストまで見てから、この場面だけを見たかったので、再度見てみた。二度目は一度目ほどの感動もなかったが、二度見てもいい場面だった。
 その反面、雨の最後の選択には否定的になるしかない。ネタバレになるが、狼であることを彼は選び、家を出て行くのだ。もちろん、おおかみこどもなので、狼の人生を選んでも人間の人生を選んでもかわまない。しかし、彼の場合は、人間の生活にまるでなじんでいなかったので、単に人間の生活が嫌だから山に逃げたようにしか見えないのだ。その上、母親が山に雨が行くのを嫌がっているのを知っているのに、まるでその事を気にかける様子もないのだ。山で倒れていた母親を助けているので、まるで無関心というわけではないだろうが、彼の行動は理解し難かった。
 田舎の生活をやたらに美化していたり、狼男である父親の死が最後まであきらかにされないなど問題点もあったが、いい作品であった。興行収入42億円の実績も納得できる。この作品でも、声優でなく、俳優を多数採用しているが、その点は特に気にならなかった。有名な人もいたが、それほど有名なない人も声をやっていたので、宣伝効果だけでなく、役にイメージに合うかどうかを重視しての結果だったのだろう。その点は、宣伝効果ばかり考えて、へたくな俳優を起用する某有名アニメ監督は違うようだ。

おおかみこどもの雨と雪 (角川文庫)

おおかみこどもの雨と雪 (角川文庫)

  • 作者: 細田 守
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/06/22
  • メディア: 文庫



おおかみこどもの雨と雪 (2) (カドカワコミックス・エース)

おおかみこどもの雨と雪 (2) (カドカワコミックス・エース)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2013/03/01
  • メディア: コミック